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4月16日(木)、17日(金) |
ブータンの素顔・感想
ブータン滞在期間はわずか5日間、それもブータン西部の主要都市(地区)だけの見学であったが、教育にはかなり力が注がれているように思えた。旅行中、あれが小学校、あれが中学校と案内があったが、車窓から見るかぎり校舎もかなり立派である。 教育費は無料で、最近では就学率もかなり向上していると聞いた。また、国語以外はすべて英語で教えられているという。従って外国人教師もかなり採用されているというから、ブータンの若者は英語は堪能とのことである。街や村で、学校に行かない子どもたちに「学校に行きたくないのか?」と聞くと、みんなが「学校に行きたい」と異口同音に答えていた。 また、パロのオラタンホテル近くで、小学5〜6年生か中学1年生ぐらいの男の子に出会った。小脇にかかえた教科書を差し出して「教えてくれ」と懇願されたのには困惑した。 このように、ブータンでも世界の時流に乗り遅れまいとする努力の様子が十分に読みとれるように思えた。
娯楽 このほか、ティンプー市内には映画館が1軒あった。上映日には開館を待つ人の行列がみられた。 また、小さなゴルフ場もある。あまりの小ささに「どんなゴルフができるのか?」と不思議であった。 最近、ブータンにも「ディスコ」がある。1週間に1回(土曜日)開かれるという。ちょうど旅行中、ティンプーのホテルの地階でディスコが開かれていた。ここでは、若者たちがジーパンやスーツなど、ブータンにいるとは思えないような服装で集まっていた。 また、ブータンでは嗜好品として「ドマ」を噛む風習がある。一瞬、血を吐いたようで実に感じが悪い。「ドマ」はタバコのような刺激剤+興奮剤ということらしい。ビンロウジュの実を水で練って、石灰とともにキンマ葉で包んだものを、口の中で少しずつ噛み砕きながら楽しんでいる姿を見かける。
ブータンの建築は独特である。1階部分は枠組み(型枠)の中に粘土(時には粘土ブロック)と石を混ぜながら搗き固めていく。2階部分から木造となるが、2階の庇部分の持ち送りが10〜20cm間隔ぐらいに打ってある。窓枠等は、組み立てたものをはめ込んでいく。また、2階の天井(屋根)は竹や棒を渡し稲藁を敷きつめ、その上を土で塗り込める。その上に土台を敷いて3階部分(屋根裏の部屋)を作る。この部分は、農産物等の貯蔵場に使われるという。 本当の(昔の)ブータン建築は、手斧一丁ですべての部分(板に至るまで)を作っていた。 だから、日本建築のように部材の一つ一つが美しくカンナで磨き上げられた木肌の美しさや、接合部分の美しさなどは見られない。荒々しい部材ではあるが統一された規格で並べられ、全てに極彩色のブータン図柄が描かれていると実に美しく目を引きつける。 最近では、ノコギリ、カンナなどが使われるようになった。また、製材工場(ウォンディ・フォダン)を見かけたので、建築作業もかなり近代化されているのかとも思った。 すべてが建ち上がると、次は木材部の装飾塗装である。柱、桁、持ち送りなどすべてにブータン独特の仏教絵画的な装飾塗装が施されている。装飾塗装は、資金調達の都合によっては何年もかかって完成させることもあるらしい。 また、一般家屋の建築は3階までという制限があり、勝手な構図や装飾は許されないことになっている。街や村の景観に配慮(守る)するためとのことである。
社会的インフラ
水道についても同様で、ホテルで水やお湯が不足がちなことは度々経験する(但し、ブータン人と日本人とはお湯の使い方が全く違っているようなので当然のことかもしれない。)
平和な国 |