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4月18日(土) 都市のプロフィール、市場、メモリアル・チョルテン、墓地、ドゥプトプ尼僧院、タシチョ・ゾン、シムトカ・ゾン
ここで、首都ティンプーの概要をひろってみる。
というところで、今日はティンプー(首都)の見学へと向かった。
今日、最初の見学地は「市場」であった。1週間に一度(土・日の2日間)開かれる市場である。 市民は1週間分の食糧を買い求め蓄えておくようである。 簡単な小屋が立ち並ぶ市場は、土で搗き固めた土間の上に商品をうず高く積み上げ、売る人はその傍らに座って商いをしている。商品は穀類、肉類、乾物、野菜、果物、衣類、工芸品等、種々雑多である。外の方では、牛、豚を丸ごと持ち込み、その場で捌きながら売っている。実に目をそむけたくなるような光景だ。 また、占い師や祈祷師の老人なども店を張っている。市場前の広場は、野良犬などがウロウロしており、よく見て歩かないとつい柔らかい温かいものを踏んでしまう羽目になる。
■メモリアル・チョルテン(1974年建) 私たちは、特別に拝観の許可をいただいた。建物の内部は3階建で、忿怒形の極彩色のすばらしい歓喜仏の立体曼陀羅が安置されていた。毎日、お祈りに訪れる善男善女が絶えないと言われ、この日もたくさんの老若男女が訪れていた。
ブータンは、どこに行っても墓碑のある墓はない。死者は火葬したあと灰を川に流すという。乳幼児の場合は鳥葬、水葬(農村地域に残っているらしい)もあるという。墓地の見学で行ったところは、小高い丘の上でたくさんの「ダルシン」(五色の布に経文を印刷した幟)が林立している。このダルシンが風にはためく毎に経文を1回唱えたことになるという。山腹の中心には小さい「チョルテン」(仏塔)が建っていた。ブータンの葬儀は立派だと聞いていたが、旅行中一度もこの光景に出合う機会がなかった。また、各家庭の仏壇は立派なもので、仏間を大切にする(先祖の霊を大事にする)国民性が伺われる。 帰り道、自然動物園に立寄りターキンと呼ぶ、頭は「山羊」、体は「ロバ」、足は「牛の蹄」という珍しい動物を見学した。
■ドゥプトプ尼僧院 教祖は、ブータンに鉄の橋を伝えたといわれる「タントンギャルポ」を祀ってある。ちょうど休憩時間だったのか、若い尼僧たち4〜5人が、薄い法衣の下着を着たまま行水をし水を掛け合いながらはしゃいでいた。濡れた下着が体にまとわりつき、何とも清艶な情景であった。
「タシチョ・ゾン」は、国王のオフィスであり、国会(ツォンド)議事堂である。また、宗教界の最高権威であるジェイ・ケンポを頂点とするブータン仏教(ドゥルック派)の総本山でもある。見学が土曜日だったため、中庭までしか入ることはできなかったが(撮影は禁止)、建物の構造、様式など他のラカン・ゾン等を象徴する堂々たる造りである。タシチョ・ゾンは平地の河畔に建っており、周囲に国の附属機関(日本の省庁?)等があり壮大である。入り口には、銃をもった衛兵が何人も立っており、厳しい警護の中にあった。 タシチョ・ゾンから少し川上に行ったところには、ブータン国軍のキャンプ地があり、また近くには三代国王(前国王)の居所があった。
「シムトカ・ゾン」は、昔反シャプドゥン勢力(王の反対派)の攻撃を受けた時それを跳ね返した砦といわれ西ブータンのドゥルック派の拠点として、重要な役割を果たしてきたゾンである。寺院の中には、たくさんの男の子(僧)たちが親元を離れ、起居をともにして勉強に勤しんでいた。 中庭の石畳と回廊、また入り口にある大きな壁画等が特に目を引く。 |