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ブータン王国

パロ空港の全景
 ブータン王国は、世界の屋根ヒマラヤ山脈の一角にあり、面積は4万6,500平方キロメートル(山陰両県の約4倍)、人口は70万人弱といわれる。北部は7,000m級の山岳地帯、中央部は2,000〜3,000mの盆地と渓谷、南部は熱帯性植物が生い茂るという多様な地形・気候を合わせ持つ国である。

 17世紀に、僧侶「ンガワン・ナルゲル」がブータン政権を確立したが、それをこころよしとしなかったチベット、モンゴルが兵を送って屈服させようとした。しかし、ブータン軍は数度にわたる侵攻を跳ね返し、今まで一度も侵略されたことのない国といわれている。このブータンを守った「ゾン」(城)が各地に現存し独特の景観を形成している。

 20世紀初頭(1907年)「ウォンチュック」により王政がしかれ、1971年には国連にも加入した。しかし、ブータンは国を開放しないという国是を貫いており、閉ざされた国=世界の秘境といわれている。

 また、ブータンは熱心な仏教国であり、国内各地に「ゾン」(城)、「ラカン」(寺院)、「チョルテン」(仏塔)があり、一種独特の景観を作り上げている。ブータン仏教はチベット仏教の流れを汲み、その流れは中国や日本にも伝播したといわれている。

建築物は、すべて国で統一されており、建物は官民を問わずすべてブータン独特の仏画模様が描かれており、寺院のような雰囲気を醸し出している。また、釘を1本も使わない建築、すべて「ホゾ」「ミゾ」で組み立てられていることも珍しい。

 一方、ブータン国民は階級の上下を問わず、男性は「ゴ」、女性は「キラ」という民族衣裳を着用する。一見、日本の和服と似たところもある。「ゴ」(男性用)の着物を腰紐で手繰り上げた懐(ひだ)になったところに物を入れる様は、日本の男衆が和服の懐に巾着など物を入れる格好とよく似ている。

 ブータンは、近代文明にまったく毒されない独特な文化をもっている国というところも魅力かもしれない。

 以下、日程を追ってブータンを素描してみたい。 4月16日(木)>