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新緑の「中・東欧」の旅

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4月28日(水)
 早朝、ホテルを出発しプラハ(チェコの首都)の観光に出かけた(プラハは「世界文化遺産」である)。

 「プラハ」は1000年の歴史をもつ古い都市である。旧市街地はバロック、ゴシック、ルネッサンス、アールヌーボーにいたるまで、あらゆる建築様式のメッカである。第二次世界大戦の被害を受けなかったことが幸いし、歴史的建築物は3,500あまりに及ぶと言われ、中世の雰囲気を十二分に味わうことができる。いわゆる、“百塔の町”と呼ぶにふさわしい町である。

 まず、最初にプラハ城に向かった。


プラハ城聖ビート教会
プラハ城聖ビート教会
[プラハ城]
 プラハ城は、ヴルタヴァ川西岸、フラチャニ丘の上にある中世風の城壁に囲まれた壮麗な建物である。9世紀の半ばに建築がはじまり、幾多の変遷を経て14世紀にカレル4世がほぼ現在の偉容を整えた。

 入り口は、正面以外に北と西に1カ所ずつあるという。門の両脇には衛兵が直立不動の姿勢で立っている。城内は広大な敷地で、旧王宮、宮殿、教会、修道院がある。また、見学はしなかったが、建物の一部を利用して美術館や博物館も設けてあるという。

 中でも城は、たいへん豪壮な外観で時の権力を象徴している。城を見ていると、実に異様なものを発見した。それは2階の四隅から人体の像がたいへんな形相で広場の上に体を張り出し見降ろしているのだ。正に王政(権力による治世)の「掟」を教えているようである。この像は、雨の日には屋根から流れる雨水を受け、体内を通して口から広場に向かって吐き出す仕組みになっている。


聖ビート教会
聖ビート教会
[聖ヴィート教会]
 聖ヴィート教会は、神聖ローマの皇帝カレル4世が1344年建設に着手し、1929年に完成されたといわれる。その間、実に 600年近い年月を要している。

 構造は、ゴシック様式の大聖堂で、歴代チェコ王の陵墓となっている。高さ80メートルと96メートルの2つの尖塔がある。また、堂内に設置されているステンドグラスは有名で、アール・ヌーヴォー様式の画家「アルフォンス・ムーハ」の作品といわれ、国宝に指定されている。

 教会を出て坂道を下っていくと“黄金の小路”に出る。色とりどりの小さな家が建ち並ぶ小さな通りで、画廊やみやげ品店などが軒を連ねている。ここでも水彩画を1枚買い求めた。たいへんな荷物になったが価格が安いのには驚いた。


中世の小路(黄金の小路)
中世の小路(黄金の小路)
[黄金の小路]
 これは1579年にできたもので、当時はこの辺りには城内の召使いなどが住んでいた。後に、その一角に錬金術師たちが住むようになり、黄金の小路と呼ばれるようになったものである。この一群の中に、作家フランツ・カフカが住んでいた家がある。

 さらに、カレル橋の方に向かって下って行った。ここで驚いたことには、道ばたのコンクリート壁に日本の相撲取り「小錦関」の堂々たる落書きがしてあるではないか。落書きも実に堂に入ったものである。これでは悪童たちも下手な落書きが書き込めなくなるだろう・・・。


カレル橋
カレル橋
[カレル橋]
 ヴルタヴァ川に架かるプラハ最古の橋「カレル橋」に出た。

 カレル4世の命によって1357年に建設が開始され、60年近くかけて完成したといわれる。全長520メートル、幅10メートルの大きな石橋である。また、橋の両端には14世紀のゴシック様式の橋塔がそびえ、また橋の両側には30体の聖人増が並んでいるなど、橋の壮重さを演出している。

 橋の上では、絵を売る人、音楽を奏でる人、民芸品の小物を売る人などでいっぱいである。この日もたくさんの観光客でごった返していた。

市庁舎の玄関
市庁舎の玄関
 カレル橋を東に渡りきると、「プラハの春」で有名な旧市街地の広場に出る。この広場は悲惨な事件の舞台となった歴史がある。これは1620年、ビーラー・ホラ(白山)の戦いでチェコが敗れた際に指導者が処刑され、その兵士の首が旧市庁舎前の地面に並べられたところという。27の白い十字架が描かれているのは首の置かれた跡といわれている。

 また、旧市街地入り口には火薬塔、隣にはムーハ(ミューシャ)作の美しいアール・ヌーボーの市公会堂、旧市庁舎(14世紀のゴシック建築)がある。この旧市庁舎に設置された仕掛時計塔(1410年建造)は今でも正確に時を刻んでいる。正時になるたびにガイコツが出て鐘を打ち鳴らすと、それに合わせてキリストの使者が出てくる(正時にこの場に居合わせなかったので、その光景は見ることができなかった)。

 再びマーネス橋を渡ってバスに帰った。橋の向こうの丘の上には、赤い大きなメトロノームが静かに時を刻んでいた。

城から見る農林風景(城主が地主)
城から見る農林風景(城主が地主)
 午後は、ボヘミアの古城「チェスキーシュテンベルグ城」へと向かった。プラハの町から1時間ぐらいで到着した。静かな山村の古城である。

 城門が閉まっていたため、一瞬閉館日かと思ったがガイドさんがコールを入れると、しばらくしてチェスキーシュテンベルグ伯爵がじきじきに開門に出てくださった。伯爵に直接お目にかかれるとは実に幸運であった。

 城は、チェスキーシュテンベルグ伯爵の持ち物であり、ご本人の住まいでもある。居住部分を除いて城内をくまなく見学させていただいた。この城から見渡せる農地は、すべて城主の土地だということであった。動物に関心をおもちのようで、庭にはいろいろな種類のふくろうが飼育されていた。

 再びプラハの町に帰り、ボヘミアングラスの専門店に行った。この店の店主は、かつてオリンピックの体操選手として名を馳せたチャフラフスカ選手経営の店である。すばらしいガラス器が数々並んでいたが、価格もまたすばらしかった。旅の記念にと小品を1個買い求めておいた。

 夜は、名物チェコビールと本場チェコ料理で楽しい夜を過ごした。


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