今日は、シチリア最大の都市パレルモの観光である。パレルモは、人口90万人の商工業中心の町で、アラブやノルマンといった南北から幾度となく侵略され異文化が入り混ざった興味深い都市である。旧市街地にはノルマン王宮サン・カタルト教会をはじめ、たくさんの歴史的重厚な建造物があるので期待していたが、あいにくこの日に重要な国際会議が開かれるということで市街地は交通規制がしかれ主要地を見学(車の乗り入れ禁止)することができなかった。やむなく郊外のモンレアーレの大聖堂だけの見学にとどまった。 モンレアーレ大聖堂は、1174年グリエル2世によって建設されたもので、正面祭壇にある両手を広げたキリストの大モザイク画が有名である。
イタリア本島では、長年の習慣であるシエスタが薄れてきているようだ。でもシチリア島ではまだシエスタ習慣が色濃く残っている。午後の早い時間は実にゆったりしたものである。
アグリ・ジェントの町はギリシャ神殿が集積していることで有名である。古代には30万人もの人々が住んでいたのだが今ではオリーブの木に囲まれた静かな小さな町である。
ジュノーネ・ラチニア(ヘラ)神殿(紀元前450年頃のもの)、コンコルディア神殿(紀元前460〜440年頃=保存状態が最も良い)、ヘラクレス神殿(紀元前520年=最も古い神殿)、ゼウスクリ神殿(紀元前5世紀)に行った。ゼウスクリ神殿は、最も崩壊がひどい神殿である。神殿の柱と柱の間の梁の下に高さ7.75mの人体像柱テラモーネがあったことで有名である。今では遺跡広場に壊れたテラモーネ(レプリカ)が一体横たわっていた(本物は、国立考古博物館にジョーヴェ・オリンピコ神殿にあったものが一体だけ飾られている。)。
夜は、神殿の丘を遠望できるレストランで会食、ライトアップされる時間を待った。
夕食のクスクス料理はとてもおいしかった。
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