

8月24日(火)

早朝の西安市内
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いよいよ、中国に別れを告げる日が来た。
早朝、ホテルを出発して西安空港に向かった。今朝の西安市は、街に一つのゴミも落ちていない。昨日のゴミと埃の街は一変している。そんな中、街のあちこちで市民の小集団が気功と太極拳を楽しんでいた。
西安空港9時35分発、上海経由で広島空港へと向かった。広島空港に到着したのは15時10分であった。
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西安市についての雑感 
今回の旅行は、中国新彊の奥地、カシュガル、トルファンであった。最近になって海外旅行を思い立ち、特に秘境の地に興味を抱いてきた。昨年のブータン王国、インカ帝国(ペルー、クスコ)、それぞれに新鮮な感動となって記憶に残っている。
今回の旅行地、カシュガル、トルファンでは、現地の人々の機微に直接触れることができ何よりの想い出となった。中国は、実に広い国土であるとあらためて認識させられた。今夏、中国の東北地区を旅行していたので、その感を一層強く感じた。また、国土開発の様子も垣間見ることができた。

偉大な西安城壁
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今後も、新彊地区が景観、人文などが保存される中で、発展し続けていってほしいものと思った。
また、西安にはわずかの滞在時間であったのであまり実感が湧かないが、西安市は、たいへんな人口集積地である。人と車の量もたいへんなもの、だが交通信号機は実に少ない。こんな市街地で、人、車、自転車、リヤカーなどが一刻を競うかのように往き交っている。よくあれで事故が起きないものだと思ったが、案の定、夕方4〜6時ぐらいのわずかな移動時間内に、3〜4件の事故現場に出くわした。
こんな状況だから、第一印象は「ゴミ」と「埃」で、実に汚い町という印象であった。
ところが、翌朝町に出かけてみると昨日まで汚れていた町がとてもきれいに掃き清められ、塵ひとつ落ちていないのである。昨日見たのは夢だったのかと我が目を疑った。こんな清々しい美しい通りのあちこちで、市民が太極拳や気功を楽しんでいる。ガイドさんに、町のこの変わりようを尋ねてみた。すると、西安市では毎日朝と昼に市内の一斉清掃を行っているとのことである。たぶん、行政と市民が長い歴史の中で培ってきた慣習のもとに行っているのだろうと思った。また、反面これは、実にたいへんなことだろうとも思った。これまでどこの国に行っても行政がこれだけの施策を行っていることは聞いたことも見たこともなかった。長い歴史と慣習の積み上げでなければ実現しえない大事業なのかもしれないとも思った。
感謝 
8月17日から24日まで8日間の間、中国陝西海外旅遊総公司の曹笑陽さんにはたいへんお世話になった。また、喀什中国国際旅行社の張軍旗さん、恵強さん、中国陝西海外旅遊総公司の高紅さんに、それぞれの地でたいへん懇切丁寧に案内していただいたことに感謝申しあげたい。
1999年8月 長岡 榮 記
<追記>
この旅行記は、ガイドの説明を主体にしてとりまとめたものであり、聞き誤り、聞き漏らしのあることをお許し願いたい。
また、次のガイドブックも参考にさせていただいた。
◇白地出版(株)『ニューツアーガイド』(24)(西安・シルクロード)
◇ダイヤモンド・ビッグ社『地球の歩き方』(39)(西安とシルクロード)
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