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シルクロード魅力探訪の旅

 (株)中央新報トラベル(本社:松江市)主催の「シルクロード魅力探訪ツアー」に参加した。
 「古代中国の変革は西からやってきた」といわれる。そのルーツであるシルクロードは、まさに魅力の宝庫である。以下、その日程を辿りながら旅行の思い出を記録にとどめてみた。

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8月17日(火)〜18日(水)
テレビ塔から遠望する浦東地区の開発状況
テレビ塔から遠望する浦東地区の開発状況

日本〜上海
8月17日(火)、中国西北航空で、広島国際空港から上海に飛び1泊した。上海での1泊は、シルクロードに入る前の心身の調整にちょうどよかった。翌18日の午前中、ウルムチに向けて出発するまでの間、中国情緒豊かな豫園と、チャイナタウン豫園商場、そして開発のめざましい浦東地区の状況を散策した。

浦東地区は、総面積522平方キロあり、東方明珠テレビ塔(高さ460m)、そして隣に88階のビル(世界3番目)など、中国でも最も開発が進んでいる地区である。最近このビル群の中に、92階の超高層ビルが建設中である。完成すると世界一のノッポビルになるという。

午後は、中国新彊航空で上海(14時15分発)から烏魯木斉(ウルムチ)を経由し、最西端の喀什(カシュガル)に向かった。


豫園
豫園
開発が進む浦東地区高層ビル群
開発が進む浦東地区高層ビル群 ここに世界一のノッポビルが生れる

喀什(カシュガル)
カシュガルの空港に到着したのは21時50分(現地時間)、ちょうど夕暮れの頃であった。表向きは、1時間の時差であるが、西経75°キルギス共和国、タジク共和国に近いこの地域では実質4時間近くの時差になる。

鵞鳥の肉を売る店
鵞鳥の肉を売る店 歩道ではテーブルでは、焼肉を肴に一杯
空港に出迎えに来てくれたのは、中国人ガイドの張軍旗さんといった。張さんの日本語のあいさつを聞いてみんなが顔を見合わせた。口調がまるで出雲弁(ズーズー弁)そのものである。はじめ、私たちが出雲(日本)から来たことを知っていて、ギャグで出雲弁を話しているのかと思った。でも、いつまでも続くズーズー弁に、はじめてギャグで云っているのではなかったことを知った。張さんの口調が、出雲の方言と実によく似ていると伝えると、張さんは私たちに大きな親しみを感じたらしい。

空港から、カシュガルの市内に通じる道路は建設工事の真っ最中だった。私たちが乗った車は脇にある旧道を、濛々と砂ぼこりがたちこめる中、大揺れをしながらゆっくりと進んでいかなければならなかった。悪道の上に人と車、馬車、さらに自転車と、それぞれが我が道を往くとばかりに進んでいくのでスピードも出せない状態である。

羊の頭いかがですか
羊の頭いかがですか
こんな夕闇の中、私たちの車の脇を若者たちが華やかに車を飾り、ラッパに鐘、笛、太鼓を打ち鳴らし奇声を上げて通り過ぎていった。ガイドの説明によると、結婚式の行列だと教えてくれた。(ガイドブックによると、ウイグル族の結婚式は、青年たちが花嫁を迎えに行く、そして花嫁を渡さない…いや、貰いたい…などなどと両家の間でいろいろな儀式のやりとりがあるようだ。)

やがて、車は街の中に入った。大きな通りの四ツ辻の一角に、たくさんの屋台店が並んでいる。砂ぼこりと焼き肉の煙がもうもうと立ちこめる中に大勢の市民が出かけている。まるで、日本の縁日に、民族と国土の違いをプラスしたような光景である。カシュガルの思い出にと、ぜひ案内してもらうようガイドにお願いした。一人で出かけるのは危険とのことで、同行の人たち数人といっしょに案内してもらった。

道路を挟んで、一方はウイグル族の店、もう一方は漢族の店と分かれている。それぞれが特色のある食べ物飲み物を売っている。ヒゲをたくわえ、鳥打ち帽やウイグル帽の男の人、民族衣装の女の人たちが、山羊の頭の丸焼き、得体の知れない気味の悪い丸焼・・・・よく見ると鳩の丸焼き・・・。また、野菜・果物類など、この地方独特の品物を山積にしながら売っている。歩道では、簡単な机と椅子をおいただけの簡易なスナックも開かれている。「シシカバブー」などを肴に若者たちが酒を飲んでいる。カメラを向けても、みんな快く応じてくれる。この市場は、翌朝8時頃まで夜通し開かれているというカシュガルの有名な夜の市場である。

ホテルに帰り着いたのは、かなり遅い時間であった。

宿舎の「色満賓館」は、カシュガルでは最高のホテルである。建物は、旧ソビエト領事館を改装したもので、1974年にオープンしたとのことである。敷地は広く、緑に包まれた最高の環境のところにある。

売店の店員さんが、実に流暢な日本語で対応していた。「あなたは日本の方では?」と聞いてみたが、生粋の中国人であった。新彊大学で日本語を専攻していたとのこと……。実に大変な才女であると感心した。

新彊ウイグル自治区について
いよいよ、この日からシルクロードの主要地域「新彊」の観光に入る。ここで「新彊」の概要にふれておこう。

“新彊よいとこ”と謳われているが、昔シルクロードは長安(現在の西安)を起点としていた。長安に集められた絹織物その他の物資を、各国のキャラバン隊が、敦煌、そして新彊のタクマラカン砂漠を越え、ローマ、イラン、インド等に運んだ街道のことである。

コースも、中路、南路、北路に大別されているが、われわれは、今回中路(通称オアシス通り)天山南路の主要地点を辿るのである。

新彊ウイグル自治区は、中国の西部に位置し面積は166万平方キロで中国総面積のおよそ6分の1を占めている。ユーラシア大陸の内陸部にあり、モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、アフガニスタン、パキスタン、インドなどと8カ国と隣接している。国境線は実に5,000キロ以上に及んでいる。主要な民族は、最大のウイグル民族で、その他、漢族、カザフ族、回族、蒙古族、キルギス族、シポ族、タジク族、タタール族、満州(ツングース)族、ウズベク族、ロシア族、ダフール族など13種の人々が住んでいる。 自治区の首都は、烏魯木斉(ウルムチ)にある。広大な地域の中は、地形の違いからそれぞれ自然景観も大きく異なるが、北にアルタイ山脈、南に崑崙(クンルン)山脈、カラコルム山脈、阿爾金(アルチン)山脈、そして中部に天山山脈が横たわり、タリム盆地(天山山脈の南側)とジュンガル盆地(天山山脈の北側)を形成している。

また、雄大な雪山、広大な草原、果てしなく広がる土漠と砂漠、美しいオアシス、深い湖沼、縦横に流れる河川は大自然の美しさを悉皆しており、農産物をはじめ豊富な地下資源を有している。

また、民族は長い歴史の中で多様な特色をもっており、民俗芸能も豊かである。

イスラム教徒の大部分が、信仰の関係から豚肉は絶対に食べない。食用動物肉、は羊肉を用いる。


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