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古代のロマン・エジプトの旅

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 2月21日(火)

アスワンの石切り場
切りかけのオベリスク
 日程の消化が遅れたため、今日も少し早めにホテルを出発した。今日の予定は、切りかけのオベリスク(石切り場)、貴金属店、そしてアスワン空港〜ルクソールまで行く予定である。

 切りかけのオベリスクは、アスワンの東岸の石切り場にある。長さ41.75m、重さ1,000tともいわれる未完成のオベリスクはそのまま石切り場に放置されていた。どの王のために造られようとしたのかは不明である。エジプトには約40本のオベリスクがあると言われるが、このオベリスクが完成していればエジプト最大のものであったろうと言われている。現在、いちばん大きいオベリスクはフランスに輸出され、パリのコンコルド広場に立っている。一方、エジプトへは交換品として時計が輸入されたといわれ、その時計がカイロのアリモスクの塔に設置されている。オベリスクと時計の価値観(価値のバランス?)一瞬、首を傾げたくなるのだが……。

貴金属店へ
貴金属店へ
象形文字で刻印もしてくれる
 ここで、この巨大な石材の切り出し工法を紹介しておく。花崗岩の岩山にオベリスクの形に両側に溝を掘る。その溝に木製のクサビを打ち込み水をかける。クサビが、水を含み膨張することにより石の下にヒビが入り切り取ることができるという。そして、ヤシの木で作ったコロにヤシ油を塗って川岸まで引き出し、ナイル川の洪水時を待って運び出していたという。

 次は、女性の方の最大の関心事アスワンの貴金属店に行った。そして、砂漠の中でいちばん美しい砂があるといわれる砂丘に立ち寄った。砂丘には小鳥のものなのか、昆虫のものなのか、無数の足跡が描かれている。“サソリ”でもいるのではと、足跡を辿って行き探してみたが何も出てこなかった。記念に砂を少しずつ採取して帰った。

ルクソール神殿
ルクソール神殿へ
ルクソール=神聖なところ
 午前中で、アスワンを切り上げ空路ルクソールに帰った。ルクソール=「神聖なところ、太陽神のところ」という意味らしい。東岸地区には官庁、病院、学校などの公共施設が集中している。反対の西岸地区は王家の谷などがあるが、概して農村地帯で貧しそうな感じである。しかし、みんな墓泥棒で生活をしており、エジプトいちばんのお金持ちの人たちが住んでいるという。この地域を「クルナ村」(クルナ=牛の角の意)という。人口12万人というクルナ村の村長さん宅は、自宅の地下が墓の洞窟があるということで、政府は“墓がある家なら立派な家系の人であろう”と、村長さんに選任したとのことである。

 ルクソールの人口は100万人。うち60%はキリスト教信者といわれる。イスラム教徒の国で、イスラーム教徒よりもキリスト教信者が多いというのをちょっと不思議に思った。

 この日の昼食は、ハトの料理であった。ハト肉は、小骨が多いがおいしい肉であった。

聖獣・羊の頭をしたスフィンクスの列
聖獣・羊の頭をしたスフィンクスの列が圧巻
 午後は、ルクソール最大の見どころカルナック神殿の見学である。ルクソールは、かつて「テーベ」と呼ばれる、中王国〜新王国〜末期王朝時代にわたって首都として栄えたところである。ツタンカーメンの即位の儀もこの神殿で行われたという。神殿の最大の見どころは、入り口の両側に並んでいるスフィンクスの参道、そして宮殿に 134本も林立している巨大な列柱(高さ23mのものと、15mのものと2種)、ラムセス2世像やオベリスクなどである。元は、東入口から西出口まで実に4kmもあったといわれる。神殿正面第一塔門には、元2本のオベリスクが立っていた。現在1本だけが残っているが、他の1本はフランスへ輸出(前述)されている。聖なる池のほとりには、巨大なスカラベ(昆虫:糞ころがし)の像がある。エジプトは、“太陽神の国”糞でも転がしていくうちに丸くなる→丸いものは「太陽=神」、というわけで、スカラベは“神聖な虫”とされている。このスカラベの像を3回まわってお祈りすると、再びエジプトに来られるとか、願い事が叶うとか言われている。みんな、それぞれ願いを込めながらこの巨大なスカラベの像をまわっていた。
水たばこを吸う老人たち
水たばこを吸う老人たち

 ここでも、神殿のあちこちで武装した兵隊が看視していた。ちょうど観光客の多い時期なのであまり不安は感じなかったが、観光客が少ないときには、いたるところが巨大な列柱と壁面で死角になるので不安感があるのだろうと思った。兵隊たちは、われわれを守ってくれているのだと心に言い聞かせながら見てまわった。

 夜は、馬車に乗ってスーク(市場)に出かけた。ルクソールのスークは、カイロのスークに比べると小規模であるが、田舎くささがあり楽しかった。一見恐そうなおじさんも、接してみると実にやさしく親切である。こんなおじさんたちにお願いしてカメラに収まっていただいた。

 ルクソール神殿も、夜はライトアップされていて一層きれいだった。ホテルに帰ったのは夜の8時。エジプトでの最後の夜ということで、旅行社の中央トラベル荒木社長さん主催のエジプト旅行反省会を開いていただいた。この6日間の出来事をみんな楽しく語り合った。

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