伝統芸能紹介


県指定文化財・昭和60年4月23日指定


大土地神楽 (おおどちかぐら)


神々の国を象徴する出雲大社には、年間を通して多くの参拝者が訪れます。
大土地神楽は、この出雲大社がある杵築西の大土地、中村の氏神である「荒神社」に属する神楽です。

この大土地神楽の起源は、宝暦4年(1754)3月、この社の祠官鳥屋定保が記した祭事記録に「素人神楽同日宮下より直ちに始る・・・・」とあり、すでに郷土研究家により指摘されている寛政5年(1793)の「神楽道具控帳」や、寛政10年(1798)改の「家順番帳」等の記録によると、少なくとも二百数十年来、大土地荒神社の氏子中に伝承されています。

現在では、毎年10月24日の荒神社前夜祭と、25日の例祭に舞われるほか、出雲大社の祭礼時にも奉納されています。

神楽を演じるにあたっては、毎年、祭礼の家(頭屋)が舞子を募り、稽古を重ねて祭礼に備え、祭りの前の晩には「本ならし」といわれる仕上げの神楽を行い、翌日の本番を迎えます。

全体の構成は、七座並びに神能からなる、いわゆる出雲神楽の一典型です。

七座は、直面の採り物舞いで、塩清め・悪切り・御座舞・神降し・八乙女・手草の舞・幣の舞からなっており、神能は、着面演劇風舞で、山の神・五行・八千矛・田村・茅の輪・切目・三韓・前素尊・後素尊などの舞からなっており、近世中期以来には、佐陀神能の影響を強く受けたと思われますが、なお地踏み、拝み、睨みなど、各種の舞において素朴な地方的特徴が見られ、大人舞のほかに、子供舞もあり、佐陀神能にはない曲目も多く残っており、島根半島一帯に残る諸神楽の中でも、舞振り・奏楽・衣装・鳴物などに、長い伝統を正しく保持し、古い形態を残しています。

現在では、「共楽会」「親楽会」「永楽会」と称する神楽方組織により、氏子後援のもとに伝承維持されている。

                     
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