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長春・ハルピンを訪ねて
 今回、中国東北地方(長春市・ハルピン市)を旅行する機会を得た。

 この、中国東北吉林省と島根県は1994年に友好の提携を結んでおり、今年が満5周年にあたる。
(株)山陰中央新報トラベルでは、島根県及び松江市・民間団体等に呼びかけて友好訪問団を募り、親善訪問を企画されていたこの民間訪問団に参加した。

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7月22日(木)
 飛行機は出雲空港を13:00に出発、長春国際空港へは14:30(現地時間)の到着であった(実飛行時間2時間30分)。空港の入国手続きをすませた後、早速専用車でホテル・インし、ただちに市内見学へと向かった。

 長春市は、吉林省の中央に位置する省都で、総面積18.800平方キロメートル 、人口 260万人(ちなみに吉林省の人口は2,600万人)である。

偽満州国務院(日本の国会議事堂をまねて作られた)1936年完成
偽満州国務院(日本の国会議事堂をまねて作られた)1936年完成
 都市の基礎は、満州国時代「新京」といわれた時代に築かれた。市街地は立派な道路が縦横に走っており、特に長春駅から南に2kmほど下ったところの人民広場ロータリーから、放射線状に延びる都市計画道路は特にすばらしい。この人民大街と、人民大街から西へ1kmぐらい行ったところにある新民大街あたりは旧満州国時代の都市の中心地であり、今でも各種の主要機関が配置されている。いわゆる、東京の「霞ヶ関」のような役割を果たしている地域である。この2つの大街の両側には随所に旧満州国時代の建物(国の各種機関)が残っており、これらの建物が解放後の今日でも新しい中国政府または省によって 使用されている。

 限られた時間内の見学であったので、この日はほとんどバスの中から見学してまわるだけにとどまった。これらの古い施設の名称と当時の役割だけでも以下に列挙してみる。

〈新民大街周辺・地質宮の周辺〉
◇偽皇宮陳列館=ラストエンペラー溥儀が満州国皇帝となったときの皇宮。
◇偽満州国軍事部旧趾=満州国の軍務や政務を司った首脳機関。
◇偽満州国務院=満州国最高行政機関で、日本の国会議事堂を真似て造られた。(当時この建物と長春駅、関東軍司令部などが地下道で連結されていた。)
◇偽満州国経済部旧趾=満州国の税務、金融、投資、貿易などを司った。
◇偽満州国司法部旧趾=司法を司ったところで、建物は和漢折衷の様式で造られている。
◇偽満州国交通部旧趾=公路の管理、郵便、航空、水道などの部門を司った。
◇偽満州国興農部旧趾=農林業、牧畜、鉱業、開拓などを司った。
◇偽満州国文京部旧趾=ここは元の建物は残っていない。現在、跡地に東北師範大学付属小学校が建っている。
◇ 地質宮=
満州国の宮殿となる予定だった地質宮
満州国の宮殿となる予定だった地質宮
正式な満州国の宮殿とする予定であったが、太平洋戦争の勃発によって日本国に資金力がなくなり、基礎工事だけで中止になった。その後、長春市政府が元の設計図にしたがって1954年に完成させた。和風の屋根をもつ建物。(場所は新民大街を北に上がったところ、文化広場の奥に位置する。)
〈人民大街周辺〉
◇旧満鉄本部=現在も鉄道局の事務所となっている。
◇旧関東軍司令部=旧日本の関東軍司令部があったところ。現在は吉林省共産党委員会の建物となっている。
◇旧憲兵司令部=現在、吉林省司法省となっている。
◇旧日本銀行=現在、吉林省中央銀行になっている。
 長春市の詳しい見学は、ハルピン市見学の後(7月25日)にあらためて行うこととし、夜は吉林省主催の歓迎会に出席した(会場:長白山賓館)。歓迎会では、吉林省副省長・魏敏学氏の「島根県との友好の絆を一層強固にしたい。」旨の力強いあいさつがあり、両国の県・省関係者による友好を誓い合う祝宴が開催された。


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