吉田拓郎&かぐや姫 Concert in つま恋 2006
コンサートレポート
by すだりん



 このサイトでは、かぐや姫だけのステージを紹介します。
会場ではステージはほとんどみえませんでしたが、大型モニターと後でテレビで観たものも参考に、気になった作品を中心に全くの私見で感想と解説を書き込みますので、ご了承ください。間違いがある場合はここに送信してください。



 午後1時前。
 NHK−BSハイビジョンでテレビ中継があるため、時間ぴったりに始まるのを知ってか拓郎コールがあがってきた。
 会場は緊迫した雰囲気に包まれる。
 
 瀬尾一三ビッグバンドの演奏が入り、拓郎さん、かぐや姫のメンバーが登場。周りの聴衆は総立ちでステージは全く見えない。それでも精一杯の手拍子で4人を迎えた。
 1曲目は、拓郎さんの「旧友再会フォーエバーヤング」(発表=以下同じ:S59年)。ステージ横の大画面に映るこうせつさんは、YAMAHAがつま恋を記念して発売した「THE FG SUNSET」と思われるギターを抱えていました。最初、拓郎さんのギターかと思いきや、その記念モデルに違いないと思います。それはそうと、拓郎さんがステージを行ったりきたりする雰囲気が分かりましたが、2番目はパンダさんがボーカルをとり、ステージの左右につくられた花道を走っている様子が映し出された。(後でテレビで確認したら、足がもつれそうになりながらも懸命に走るパンダさん)。この歌を聞くと、31年後の拓郎さんとパンダさんのためにつくられたのではないかと思われて仕方なかった。還暦を迎えた2人。まさに「旧友再会」そして「フォーエバーヤング」だよね。

 

<第2部>


 1.「妹」(S49年)
 準備が整ったステージに、「妹」のメロディーを奏でるバックバンドに迎えられ、3人が手を振りながら登場。なんと真っ白いスーツ姿におったまげた。「かぐや姫 今日」のコンサートパンフレットの撮影用の衣装を思い出した。これが意外と似合っている。正装姿のかぐや姫もありかなと感心しながら拍手を送った。
 そして、ピアノの伴奏で「妹」。このスタイルは生では初めて聴いたと思う。75年のつま恋か、「今日」の横浜スタジアムかは思い出せないが、このアレンジで約30年前にタイムスリップした。フルバンドのこの曲もいかしている。シングル盤に近いアレンジで、かぐや姫の最初のステージでいきなりうるっときた。
 トークでは、この前の拓郎さんが第1部で、こうせつさんに雄たけびはやめるように注文をつけていましたが、こうせつさんは無視。「朝までやるぞ〜!」。できないと分かっていても、やっぱ、そう叫んでもらうとうれしい。

 2.「遥かなる想い(S53年)
 イントロにソプラノサックス(?)を使ってややおとなしめに仕上がっていた気がする。「今日」の1曲目で、かなり勢いがあった印象が強いからか。これも青春が頭を駆け巡る曲のひとつ。一緒に歌ってしまった。

 3.黄色い船(S48年)
 4.アビーロードの街(S48年)
 これら2作品は、2000年の復活コンサートからもステージでは定番。でも、これまでもギターやパーカッションのアコースティック重視だったせいか、大編成のバックはまた格別だ。

 5.人生は流行(はやり)ステップ(S49年)
 75年のつま恋の1曲目。DVDでも見ることができるし、こうせつさんがハイテンションで歌うのはあまりにも有名(?)。こうせつさんもこの日のステージでも、舞い上がっていたと振り返っていました。しかもあのギターの石川鷹彦さんでさえあがっていたそうですね。
 3人のハーモニーもばっちり。決まった。

 6.夏この頃(S50年)
 シングル盤とほぼ同じアレンジに感激。前奏でシンセサイザーの音色が旋律を奏で、ストリングスが効果的にからんできた。まさにレコードそのものだった。個人的には名曲だと思う。
 皆さんも気がつかれたと思う。こうせつさんがこの曲について「『赤ちょうちん』のB面に入っていて…」と紹介していたが、これは間違い。正しくは「妹」。

 7.好きだった人(S47年)
 これもかぐや姫の定番で、3人だけの演奏。まぁ、バックをつけてもアレンジのしようがないかもしれないけど。途中で「海」をかませ、すっかりひとつのスタイルになってしまった。
 そして、ここでもこうせつさんが記憶違いの紹介。「海」が、当時のLPに付録でついていたソノシートに入っていたと説明。これは間違いで、本当はLP「かぐや姫LIVE」の本体に収録されていた。こうせつさん、あがっていたんでしょうか。

 8.加茂の流れに(S47年)
 3人だけで。みんなはうっとりと聴き入って、会場は静まり返っていた。

 9.置手紙(S49年)
 これはびっくり! イントロにキーボードを加えてとても印象的なアレンジで、まったく新しい「置手紙」に聞こえた。このアレンジでシングルカットしたらヒット間違いない、なんて思ったりした。

 10.けれど生きている(S48年)
 ストリングスから入って、フルバンドで奏でた。レコードのアレンジを再現したつくりでじーんとした。詞(山田つぐと)も曲(南こうせつ)もすばらしく、隠れた名曲だと思う。
 
 11.湘南 夏(S53年)
 トロンボーンをヒューチャリングして、アルバム「今日」のアレンジと同様か。発表された当時、正やんは風で活動していた。いつ聴いても、風のサウンドと思ってしまうのは僕だけ?

 12.こもれ陽(S49年)
 実はパンダさんが1歳だけ年齢を偽っていたとこうせつさん。パンダさんは拓郎さんより1歳先輩の61歳。今年8月に九州であった「ふるさとLIVE」でも弁明したパンダさんだが、この日は「ごめんなさい」と謝罪(笑)。キーボードとストリングスが入って、パンダさんは「こもれ陽」を熱唱した。この曲も好きだな。
 13.ペテン師(S49年)
 ビッグバンドとのステージは初めて聴いた。ストリングス、キーボードがうまくとけあって、厚みが増していた。名曲のひとつにあげている僕としては大満足。

 ★ここらまで聴いて思ったこと。2000年の復活のころに比べて、正やんの声が出てきていた感じた。かぐや姫が現役だったころの30年前に少しは近づいたかなと思った。

 14.センセーショナルバンド(S53年)
 パンダさんがウッドベースを置いて、マイクを手にした。かぐや姫のことを歌にした、「今日」のテーマ曲的な存在で、つま恋などには欠かせないと思った。やってくれてうれしい。パンダさんは走る、走る。演奏の自主トレだけでなく、たぶん、走りこんだんだろうね、パンダさん!(笑)

 ★ここから大相撲の中継のため、番組は中断。たぶん、10月29日のNHK総集編には入ると思う。

 15.マキシーのために(S46年)
 16.なごり雪(S49年)
 前奏で、鳥肌が立った曲のひとつ。アレンジがアルバム「三階建の詩」に近い。これまでの復活後のかぐや姫や正やんのステージでは、ギターの奏で方にどこかやや物足りなさを感じていたからか。僕的にはイルカさんの「なごり雪」ではないのです。アルバムのオリジナルが僕の「なごり雪」なんだとあらためて思ったりした。高校生のころによく聴いたから、あの当時のことがよみがえって、フルバンドで間奏に入ると、涙が止まらなくなった。

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