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ローマROMA(第8日)
 紀元前からの歴史がある“永遠の都”ローマは、街の至るところに歴史的建造物が点在している。まさに永遠の都ローマである。
 何千年、何百年前に刻まれた石像、歩を進める道の端々に転がる石塊にも、悠久の世界を彷彿と蘇らせてくれる街である。また、そうした中にも現代の先端に生きるローマ街が動いているのだ。実に古い時代から新しい時代までが凝縮されている街といった方がわかりやすいのかもしれない。

●スペイン広場Piazza di Spagna
 スペイン広場といえば、何といっても映画「ローマの休日」であろう。この映画の舞台となった広場は、1726年にフランス大使の寄付によって造られたものという。扇状に張り出した大理石の階段、真上には「トリニタ・ディ・モンティ教会」(1,495年建立)の壮大な建物がある。また、広場の中央にはベルニーニの父が造った“老朽した小舟の噴水”がある。
 見学に行ったのが夜であり、しかも雨の中であったのでその美しさを十分堪能することはできなかったものの、この広場に立つと今にも階段の上から、あの美しいオードリー・ヘップバーンが降りてくるような雰囲気に浸ることができる。

●サン・ピエトロ寺院Basiliea di San Pietro
●サン・ピエトロ広場Piazza San Pietro
 ローマ法王を戴く、世界最小の独立国“バチカン市国”(東京の日比谷公園の3倍の広さ)、その中心地にカトリックの総本山サン・ピエトロ寺院がある。


サンピエトロ寺院の回廊(美しい列柱)
 このサン・ピエトロ寺院は、 324年初代ローマ法王ペテロの墓の上に、コンスタンティヌス帝によって建立されたものである。その後、数度の波乱に遭って荒廃していたが、15世紀に法王=ニコラス5世が再建に着手し、1,626年実に 120年あまりの歳月を費やして完成された。

 収容人員6万人、祭壇50基、柱 500本。中には、ミケランジェロやベルニーニらが製作した彫像 450体が置かれている。寺院の規模は、面積1万 5,160平方メートル、そして間口 115メートル、奥行き 211メートル、高さ45メートルという巨大な寺院である。 設計・監督はミケランジェロやブラマンテがあたったという。堂内は、まさにルネッサンス美術の宝庫である。

 現在、寺院は2,000年のキリスト生誕祭に向けて大修理中であったので、その壮大な建物の外観(全容)を見ることはできなかった。しかし、広場の中央に立ってみると、馬蹄型に広がる回廊が、その偉容を一層大きく感じさせ見学者を引きつける。回廊のいちばんの見どころは列柱の美しさにある。広場の中央に立ってみると、いちばん前の柱(広場に面した柱)しか見えないが、実はその後ろに3本の柱がひかえている。4本の列柱が放射線状に並んでいるため、後ろにある3本の柱は、前の柱に隠れて見えないのである。だから回廊の柱の数は正面からは71本しか見えないが、総数は 284本ある。上部(屋上)には 140体の聖人像が飾られている。


サンピエトロ寺院前の大噴水
 この広場は、7世紀にベルニーニが設計したといわれる。広場(収容人員40万人・総大理石張り)の中央に、古代ローマのオベリスク(四角い塔)があり、左右に噴水が設けられている。

 毎日曜日の正午になると、右手回廊の上にある法王の書斎から法王が出て、市民に祝福を与える。(私たちの見学は朝だったので、この情景を見ることはできなかった。)

●テベレ(Tevere)川と、ティベリーナ島(Isola Tibenina)(車窓から)

美しいテベレ川
 サン・ピエトロ寺院を出てからコロッセオまでは、テベレ川畔周辺の美しい景色の中をバスが進んで行った。サンタンジェロ城、美しいメガネ橋(サンタンジェロ橋)、ファルネーゼ宮殿、裁判所、またバスの右手には情緒あふれるローマの下町風景も目に入った。  やがて、テベレ川の中にあるティベリーナ島が見えてくる。この島は、紀元前 291年に医学の女神アェスクラピオが蛇の姿になって現れ、神殿を建立したという伝説がある。
現在は、教会が管理する病院となっている。右岸に架けられたチェスティオ橋は、紀元前60年に造られ、その後365年に石材を使って大改修されている。まさに、“橋の遺跡”である。この橋は現在も実際に使われている。