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ベネツィアVENEZIA(第3日)

ベニスの運河 向こう『嘆きの橋』

 イタリア北東部、アドリア海の潟に開かれた都市。運河と橋が交通網で、車のまったくない街といった方がわかりやすい。西洋と東洋文化の接点といわれる海上都市で、最も繁栄を誇っていた時代には人口30万人を数えたといわれる。今では観光産業が主体で、人口も7万人ぐらいにまで減少してきている。また、潟にある都市の宿命で地盤沈下が進み、豪雨、高潮時には街が水浸しになることもしばしばと聞いた。

●ドゥカーレ宮殿Palazzo Ducale

ベニス ドゥカーレ宮殿
 この宮殿は、9世紀に創建されその後15世紀に大改築されたといわれる。共和国の政庁兼宮殿として使用されてきた。白とピンクの大理石で壁面が飾られ、特に外部(下部)の列柱が美しい。この優美な宮殿はベネツィア・ゴシック様式の代表建築といわれ、内部には、15〜16世紀に活躍したベネツィア派の画家たちの壁画と、天井画が並んでいる。
特に大会議室のティントレットの大壁画「天国」がすばらしい。

 宮殿北側、運河を隔てた建物は牢獄となっている。当時の政治犯を収監した。宮殿で裁きを受けた罪人たちは二度と見ることができない外界を眺め、嘆き悲しんだといわれる。
「嘆きの橋」を渡って牢獄に行く。その当時の悲しい歴史をきざんだ橋は今も残っている。

●サンマルコ大寺院Basillica San Marco
 共和国の守護聖人「マルコ」を祀るため9世紀に創建された。その後、11世紀に大改築されている。ロマネスクとビザンチンの混合様式の寺院。

 この地が海上都市であるため今でも地盤沈下に苦しんでおり、聖堂の中のあちこちで地盤の補強工事がされているようであった。

 寺院の外周 330メートル、5つの円蓋をもつ正面上部のモザイク画は、17〜18世紀の作品といわれる。また奥の黄金の祭壇と、その衝立の裏にある宝石の飾りは一見すべきものがある。

●大鐘楼Campanile(外観見学)
 高さ、96.8メートル赤レンガ造りの大鐘楼である。15世紀に創建されたが、1902年に倒壊し、その後9年の歳月をかけて再建されたものである。ベネツィアのシンボルタワーとなっている。

●ゴンドラ遊覧
 楽しみにしていた「ゴンドラ遊覧船」、黒塗りのピカピカのゴンドラは実に立派な遊覧船であった。しかし、乗船場に到着したのはすでに夕闇が迫っており、その上雨まで降りだしてきた。暗い街の裏側をどうにか遊覧することができたが、下水道も整備されていないところなのか。決して良い雰囲気とはいいがたいところであった。
 (リアルト橋、アカデミア橋は、時間がなく足を運ぶことができなかった。)

●ベネツィアングラス
 ベネツィアングラスは、東方との交易が発達した中世にその技術が導入されたらしい。
ヨーロッパでの第一級のガラス工業という。鮮やかな色彩、デリケートな製作技術はシンプルな色合いの中にも激しいアート精神が生かされている。特に赤色のものは、金が使用されているとかで高価である。