追加発見!銅鐸34個となる

 加茂町岩倉遺跡で県内の男性が銅鐸1個を持ち帰っていたと同町教委に届出があり(1996.10.27)、これで同遺跡の銅鐸は34個となった。 届け出のあった銅鐸は、神戸市出土の「桜ヶ丘神岡(かみか)銅鐸」14個(国宝)の3号の1個や、鳥取県岩美町「上尾敷銅鐸」(重要文化材)と大きさ、文様が良く似ている。
 新たに発見された銅鐸は、高さ43.5cm、入れ子であれば外側にある大きさで、既に公表されている物と同様、弥生中期の古段階の外縁付鈕(ちゅう)式と見られ、流水文を上下二段にデザインした二区流水文が描かれている。

 島根県教育委員会文化課では二区流水文の文様や、大きさなどから桜ヶ丘の3号鐸、上尾敷銅鐸と酷似している点を重視、いずれも二区の間の鋸歯(きょし)文が鋭いノコギリ状ではなく、波形なのが特徴で、他の文様配列や大きさもほぼ一致している。
先日岩倉遺跡で発見された銅鐸のうち1個が奈良県上牧町で出土した銅鐸と同じ鋳型で造った「兄弟銅鐸」とされている点から、今回の銅鐸などが「三兄弟鐸」かどうかについて調査される。
銅鐸は、松江市の島根県埋蔵文化センターに移管して保管され、他の銅鐸と同様、難波洋三京都国立博物館考古室長に調査を依頼することになっている。


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