吉田拓郎&かぐや姫Concert in つま恋

by すだりん

第2章

 【スタンバイ】(2006.9.23、am11時ごろ)
 上空に数台のヘリコプターが飛び交い、開演ムードが盛り上がってきました。次から次へと観客が続いて入場してきます。会場の各ブロックに入り切れないため、スタッフが少しずつ前に詰めるように何度も何度も呼びかけていました。最初から計算どおりにいかなかったようでした。そのたびに、マットや荷物をずらして前進しました。
 安来のおじが「何か食べますかね」と出雲弁で言う(笑)。そういえば、フードエリアのあの人出からすると、すごく混雑することが予想されました。とりあえず様子を見にフードエリアに。ところが、入場の時に元気が良かった「つま恋カレー」は行列ができていました。ほかも欲しそうな店には長い列。あれこれ探していたけど、まずはカレーを腹に入れて一息。おいしかった。横をのらちゃんが覗いて「おいいしそうじゃね」と通り過ぎた。
 時間は11時。フードエリアには人が沸いてきて、見る見る間にどこも行列。安来のおじは「こりゃ、昼飯を食べるどころじゃないですわ。晩飯を買って行きますか」と言いました。ビールの売店には6,7列で長蛇の列。なかなか買えないことを想定して、とりあえずビールとつまみを買いました。夕飯は人が並んでいなかった韓国料理の店でカルビ弁当(だったと思う)を買いました。いやぁ、こんなところでも人に酔いそうでした。
 その間、携帯電話が鳴った。幼稚園から中学校までの友人で東京でデザイナーをしているまさ吉くんだった。ビールの行列の中に混じっていて、電話で確認しながらようやく見っけ。女房と友人といました。ふるさとでの再会を約束して、待ち合わせをしている安来のおじの元へ。
 食糧を買い込んだし、一通りの目的は達成したので席に帰ることにしました。途中、喫煙エリアには煙がモクモクと立ち上り、煙草の臭いが風に乗って辺りに散っていた。トイレはフードエリアにも、会場途中にもある。男女のエリアに分かれ、僕が見た範囲では十分な数が用意されていたように思う。まぁ、一番不便を感じたのは、食べ物とビールが手に入りにくかったこと。会場内のブロックエリアにもビールや軽食の売店があったが、絶対的な不足だった。もう少し買い求めやすくてリーズナブルな仕様だったらよかったのに。今度開催されるときは、そこを計算しておいてほしい(笑)、拓郎さん!
 (すいません、なかなか先に進まなくて)
 
 【開場】(2006.9.23、am10時ごろ)
 ようやく会場に入れます。つま恋グッズを販売していたグッズエリアの横で足止めを食らっていた僕と安来のおじは、フーズエリアを左手に見ながら少しずつ前進。フーズエリアも結構広い。バイトのおねえさんが「つま恋特製のカレーはいかがですか〜」と入場する列にPRしていました。すごくおいしそうだったので、ぜひ食べてあげようと思いながら、とくかく前進。途中、拓郎ファンがギターをつま弾いていました。
 本会場への入り口。入場を確認するリストバンドを高く上げて見せるように、学生風のお姉ちゃんに催促されました。右手にステージと思われる巨大な鉄塔を見上げて多くのおじさんたちの群れとともに後ろから押し出されるように歩いていきました。長い長い目隠しのシートを通り越すと、右手に曲がり、そこに緑の芝生と小さく見えるステージ、やや大きな画面が目の前に広がります。「ここが聖地のつま恋か」と感激。ステージの第一印象は、「あぁ、75年のつま恋の時にそっくりだ」。夢にまで見た場所にやっとたどり着いた安堵感に包まれました。
 僕たちの「E7ブロック」を探しました。ステージに向かって会場センターの櫓の右側のやや後ろでした。あらためて位置を確認すると、ステージは見えないし、大画面のオーロラビジョンは小さく見えるし、スピーカーの位置も良いとはいえないのですが…。まぁ、それでも、家族がつま恋行きを許してくれて、仕事を休めて、安来のおじとともにここまで来れただけで充分。ちょっとした幸福感に浸りました。
 E7の前から10列目くらいの通路側に陣取ることにし、荷物を降ろしました。さ、いよいよです。

 【晴朗】(2006.9.23、am9時ごろ)
 開催前日までは、行けるかどうかも分からなかったのに、台風13号の影響を少しは心配していました。でも、サンライズ出雲に乗ったら、そんなことをすっかり忘れ、掛川駅に朝着いてから、「そういえば台風どうしたんだろ」って感じ。青空を視界いっぱいに入れて、夢に見た「つま恋」を歩きました。
 長い列の後について止まったら、すぐ右手に「グッズエリア」。時計を見るとまだ9時過ぎ。まだ1時間もアル。誘導したスタッフのおにいさんが「しばらく時間がありますが、お待ちください。右手のグッズエリアは入場できますので、記念にお買いお求めください」のアナウンスが響いた。のどが渇いていました。荷物を見ていないといけないので、安来のおじに断って、先にビールとグッズの下見に入場。CD販売コーナーに、つま恋のポスターが無料でプレゼントされていたので、思わず並んで1枚いただきました。するとおねえさん(本当はおばちゃん)が、10本くらいを脇に抱えて逃げるように去っていきます。するとスタッフのおじさんが「すいません、多くの方に差し上げたいので、1本にしてください」。するとそのおねえさん(本当はおばちゃん)は「私ね、○▼□?★※〓☆!〜なんよ」。何言っているんか分からんまま、行っちゃいました。脱帽。
 グッズコーナーを覗きました。すると、5000円以上買うと、つま恋の記念品がもれなくプレゼントされる看板を見っけ。思わず、帽子と携帯ストラップを買っちゃいました。のらちゃんも、しっかりと買い貯めて、記念品をゲットし、上機嫌の様子でした。僕も早朝から、快晴の下でビールを飲めて、最高に幸せの気分を味わいました。
 交代で安来のおじがグッズエリアに。正やんのソロのアルバムで未購入だったCDを手に帰ってきました。(帰宅後に、おじがかぐや姫フォーエバーのクリアケースが2枚記念品でついていたということで、1枚をいただきました。ありがとう、安来のおじさん)
 てなわけで、開場前から楽しいひとときを過ごして、今度はいよいよ本入場です。午前10時の開場までもうすぐ!

 【入場】(2006.9.23、am8時ごろ)
 実は会場に着いてから、同郷の安部さん(同郷と言っても、安部さんの住まいは島根県の山間地で広島県に近い。僕は海岸沿いの出雲市で離れています)の列に紛れて入ってしまいました。後ろの方、ごめんなさい。
 そろりそろりですが、いよいよ長蛇の列が動き始めました。開場か。またまたワクワクしてきました。安来のおじは、移動式のトランクを重そうに引きながら、半歩ずつ前進。安部さんたちは、その途中も記念写真を撮りながら、相変わらずおしゃべりをしてにぎやかです。テンションが高いです。
 そして、あの「つま恋」のでかい文字が目に入ってきました。「これがあのつま恋か」とつぶやいてしまいました。安来のおじがゲートの入り口右手に、つま恋バスを発見。これは逃してはならないと、少し列を離れて、お互いに記念撮影。ほかの人たちも次々と群がっています。うかうかしていると自分の列は先に行っちゃっていました(笑)。後で聞くと、11時ごろに入った仲間は、入場に支障が出るために撮影は禁じられたそうな。
 ゲートでは、リストバンドやグッズを受け取り、会場内に。すると今度は、拓郎さんとかぐや姫の3人が映った超大型の写真が控えていて、おじさん、おばさんの入場者達を迎えてくれました。これもまたしっかり記念撮影。安来のおじはミュージシャンだから、ポーズがバッチリ決まっていた。平民の僕は、ショボイ・・・。ま、仕方ないか、と諦めて先に進みました。
 なだらかで薄緑色が鮮やかな芝が広がてちました。その芝を、親子連れがゆっくりと歩いていました。きっと、つま恋が目的ではなくて、散歩にでも来たのでしょうね。雰囲気が僕達とは違うんです。僕の周りのおじさんたちは、やや殺気だって、いるんじゃないかとそのとき感じました。ははは。
 入ってしばらく歩くと、前方の林の向こう側に、鉄パイプで造られた櫓と照明が見えます。NHKの中継車も数台スタンバイしています。でも、歩けど歩けど、なかなかそれらしき場所に出ません。やっぱ、つま恋はでっかいぞ! ドキドキ。

 【会場】(2006.9.23、am7時ごろ)
 タクシーに乗って会場までは5分ほどでしたか、10分もからなかったと思います。すごく近いという印象。僕にとってもあこがれのつま恋です〜。ワクワク、ドキドキ。胸が高まり、怒り心頭に発した「駅前タクシー事件」もすっかり収まっちゃいました(爆)
 すがすがしく感じながら車を降りると、目の前は既に長蛇の列。「いやぁ、すごいね」と安来のおじと驚いてしまいました。列の後ろに並ぼうと、歩き始めたら、向こうから手を振るおばさん、いや女性が…。「すださ〜ん」ネットの仲間だろうと目を凝らしてみると、なんと。同じ島根県のこうせつファンで「南の会」を主宰している安部さんではないですか! つま恋で最初に出会ったのが田舎の人とは。彼女の周りには、おなじみの顔が。9人ほどの仲間の笑顔に迎えられました。
 な、なんと、安来のおじはおじで、安部さんたちの隣にいた男性と知り合いではないですか。お互いに懐かしがってご挨拶。以前のバンド仲間とかで、その2人も久しぶりの再会のようです。すごいめぐり合わせですね。
 安部さんたちに「安来のおじです」と紹介すると、「え〜、本当?」。ということで、島根の人気スターとの記念写真を次々と頼まれて、おじさんは大変。周りの知らない人たちはどんな思いで見ていたんでしょう。
 そんなこんなで騒いでいると、すぐ横にふるさとLIVE以来ののらちゃんの姿も。そして、コアラさんとも福岡に続いてのご挨拶。電話をしていたら、後ろから声をかけてくださったのが柊さん。2000年ツアーから6年ぶりで、思わず声が出ちゃいました。ほかにも何人もの知り合いの仲間と再会できて、つま恋のプロローグは、同窓会のような幕開けでした。
 会場まで3時間はあったのでしょうが、時間を忘れて話し込んでしまったのでした。