地勢
 イタリアの面積は 301,225平方キロメートル、日本よりやや狭い。国土の80%近くが山岳地と丘陵地で、人口も 5,719万人である。  今回、イタリアの北部から南部(ナポリ)まで、高速道路をバスで乗り継ぎながら走り抜けた。車窓から目にしたイタリアは、平坦な立派な農業地帯ばかりだった。農家の集落が見えてくると、そこには必ずといっていいほど教会の塔があり、何ともいえない長閑な風景であった。特に、フィレンツェからローマに至る道路は、行けども行けども直線道路でさすがに道はローマに通じるの感である。


アペニノ山脈を越えてフィレンチェへ

 しかし、イタリアの国土は北部はモンブラン(4,807m)に近い山岳地帯であり、それを基幹として国土の真ん中を背骨のようにアペニン山脈が大きく横臥している。北部を離れると、標高 2,000m程度、第三期の軟岩層で緩やかな山容を呈している。ただし、中にはアルノ山(2,914m)、シチリア島のエトナ山(3,263m)など特別なところもある。

中央アペニンは、一般的に嶮しく中生代の石灰岩を多く含むカルスト地形で、フィレンツェ〜リミニ線以南(イタリア北部を横断する線)は白色大理石が大量に埋蔵されているという。イタリア旅行でいちばん強く印象に残った巨大な大理石の建造物(遺跡)があるのも、この点からして頷けるわけである。