■2002年5月23日(木)■
美都で銅精錬工房跡
大年ノ元遺跡
炉壁片や滓出土
中世の鉱山都市の可能性
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| 中世期の銅の精錬工房とみられる遺構が見つかった島根県美都町の大年ノ元遺跡
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島根県美都町山本の大年ノ元遺跡で、全国的に発見例が少ない中世期の銅の精錬工房跡とみられる遺構が見つかった。さらに工房は中世期に姿を消したとされる竪穴式建物跡の内部にあり、銅精錬の変遷を考える上で貴重な遺構。5月22日には金属精錬の遺構に詳しい山口県美東町教委の池田善文生涯学習課長らが現地で調査指導会を行い、重要性を指摘した。
調査では4カ所で方形の竪穴式建物跡を確認。1カ所から炉壁片をはじめ銅精錬にかかわる遺物が発見。金属関係では、粘土質の堝(るつぼ)片や炉床、銅を精錬する過程で生じる不純物の円盤滓(さい)、おわん形の椀形滓、不純物のかたまりの塊状滓が出土。赤褐色の焼土も見つかった。
池田課長は、遺構について「15世紀のもので、古代の円筒竪形炉から近世の火床炉(ほどろ)に移る中間段階ではないか」と説明。「有毒ガス対策で風通しを良くしないといけないのに、竪穴式建物に炉があるのは疑問が残る」とも述べた。
中世期の銅の精錬工房跡は、これまで山口県美東町の長登銅山や兵庫県猪名川町の多田銀銅山などで確認されているが、全国的に発見例はほとんどないという。
同じく調査指導した田中義昭・元島根大教授は、遺跡が平安期から続いた同町の都茂丸山銅山の下流に位置することから「近くに住居跡もあるはずで、遺跡の周辺は当時、鉱山都市だった可能性もある」と指摘した。
さらに田中氏は、一帯が戦国時代末期まで石見に威を振るった中世・益田氏の支配下にあったことを引用して「工房が益田氏の管理下にあったことも考えられる」と推測した。
大年ノ元遺跡は水田にあり、ほ場整備に伴う事前の試掘調査で中世期の白磁片が出土したため、町教委が2月から400平方メートルの範囲で本調査を行っている。町教委は近く現地説明会を開く。
−5月23日(木)山陰中央新報より転載−
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