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2001年10月24日(水)
バリアフリーの映画づくり
副音声制作会社を設立
大沢豊作品で高い評価
元ボランティア 松江の2人

障害者が映画を楽しむための副音声や字幕を制作、編集するベンチャー企業を、松江市内の元ボランティアの2人が立ち上げた。10月20日には江津市で、会社として初めて副音声を手掛けた作品「アイ・ラブ・フレンズ」を上映し、駆け付けた同作品の大沢豊監督が高く評価した。国内初のビジネスを軌道に乗せ、バリアフリー映画の普及を目指す。
大沢豊監督と宇野京子さん、中島春喜さん
人権啓発フェスティバルで、副音声付き映画への思いを話す大沢豊監督と宇野京子さん、中島春喜さん(左から)
副音声の制作会社「ハートフル・ウイング」を設立したのは、松江市内の宇野京子さん(37)と中島春喜さん(46)で、宇野さんが社長、中島さんが専務に就任した。

2人は盲導犬の普及啓発に取り組むボランティア活動で副音声制作を経験し、より多くの人に映画を見てもらいたいと全国展開を計画。映画監督や配給会社の理解を得るため法人化した。

副音声は、映像の情景を言葉で伝え、視覚障害者が映画を楽しめるよう支援する手段。会社では聴覚障害者向けの字幕作りも行い、映画の上映者に副音声や字幕を買い取ってもらい、ビジネスとしての成功を目指す。

初仕事の「アイ・ラブ・フレンズ」は聴覚障害者が主人公で、2人がボランティア仲間と副音声制作を手掛けた「アイ・ラブ・ユー」と同じ大沢監督の作品。監督も、視覚障害者が楽しめる映画を検討中で、2人の協力依頼を快諾した。 「ビジネスとして成功させるには質が重要」(中島さん)とこだわり、副音声を吹き込むスタッフには、元アナウンサーなどを選考。笑いや驚きといった劇場での一体感も重視し、映像と音声のズレが生じないよう編集技術も磨いた。

台本作りでは、セリフのない登場人物の思いをどう表現するか苦慮したが、大沢監督の意図を電話で何度も確認。仕上がりには高い評価を受け、初仕事として順調なスタートを切った。

大沢監督は「これを契機に障害者や高齢者などの新しい層が劇場に来てくれれば、低迷する日本映画界に刺激を与える」と二人を激励。さらに、今回の出会いを重んじ「できれば次回作は島根で撮りたい」との意欲を見せた。


−10月24日(水)山陰中央新報より転載−



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