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1998年10月16日(金)
『加茂岩倉』国史跡指定へ
荒島古墳群(安来)は範囲拡大
文化財保護審答申

国の文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は10月16日、文化財の指定に関する答申をまとめ、有馬朗人文相に提出した。旧三井財閥の三井本館(東京都中央区)など9件の建造物を重要文化財に、また、史跡7件や歴史的な街並みを保存する重要伝統的建造物群保存地区4件、近代建造物保存のための登録文化財105件の指定・選定も求めた。島根県関係は、全国最多の銅鐸(どうたく)が出土した加茂岩倉遺跡(加茂町)が、新たに国史跡に指定されるほか、史跡指定済みの古墳を含む安来市内の古墳・墳墓群3カ所を一括して「荒島古墳群」に名称変更。範囲を拡大して国史跡に追加指定する。鳥取県では、倉吉市の玉川沿い土蔵群一帯の「打吹玉川地区」を重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定するよう答申した。重伝建指定は同県内初。

加茂岩倉遺跡は8年10月に農道工事の際、丘陵部の斜面で弥生時代中期から後期の銅鐸39個が出土。銅鐸の生産と流通、機能・廃棄の方法を究明するだけでなく当時の政治、社会状況を知る上で評価が高い。今回は銅鐸の埋納地だけでなく、周囲の尾根筋や谷あいなど一帯1万9千平方メートルを史跡指定し、周囲の景観も保存する。

荒島古墳群は、造山古墳群(安来市荒島町)と大成古墳(同)塩津古墳群(同市久白町)の3地点を軸に、指定を受ける総面積が9万2千平方メートル。弥生時代後期の四隅突出型墳丘墓2基と古墳14墓が集中している。四隅墳丘墓や前期古墳を中心とした史跡では全国有数の規模。

このうち、造山1号墳は既に昭和11年、国史跡の指定を受けている。島根県内の国史跡はこれで44件になった。

打吹玉川地区は魚町、研屋町の全域など東西約300メートル、南北約160メートルの範囲約4.7ヘクタール。江戸時代以来の市街地で、本町通りなどの街路に沿って間口の狭い短冊形の屋敷地割りが連続し、主屋、土蔵など伝統的建造物が多く残る。

主屋は切り妻造り・平入りの形式を基本とし、赤褐色の石州瓦(かわら)の屋根、軒回りの海老(えび)状に曲がった腕木や持送り板、腰格子や繊細な出格子などに地域性のある意匠がうかがえる。

江戸時代から商工業都市として繁栄した特色ある町並みとして価値が高い。

【写真上】国の文化財保護審議会の答申を受け、国史跡に指定される加茂岩倉遺跡=島根県加茂町
【写真下】玉川沿いに立ち並ぶ白壁土蔵群(手前)と本町通り沿いの商家(向こう側)=倉吉市打吹玉川地区

−10月17日(土)山陰中央新報より転載−


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