暴力団ミニ講座

19) 上納金
暴力団社会では、親分がその配下の組員から、その格付に応じて、会費、交際費等の名目で半ば強制的に金銭を徴収し、それによって組織を維持していますが、この徴収される金銭のことを、取締機関が取締上、「上納金」と呼ぶようになりそれが一般化しました。
暴力団社会では、「上納金」という言葉は使わず、会費、交際費等と呼ぶことが多いようです。
この上納金制度は、どんな小さな組織でも行っており、平組員から舎弟、幹部など、その格付に応じて月額を決め、毎月、組事務所や組長宅等に集まる「寄り合い」と呼ばれる組織の定例会の際に納めるのが一般的となっています。
また、こうした上納金を受け取る立場の親分も、いわゆる広域暴力団のように上部組織の傘下に入っているものは、その上部組織に対して、上納金を納めなけねばなりません。
具体的な上納金の金額にはピンからキリまであり、その実態は外部から容易に知ることができませんが、広域暴力団のような大組識の幹部ともなれば、毎月百万円を超える例もあると言われています。
これによって集まる上納金の額は、有力な広域暴力団によっては、月額にして億単位に上るとも言われています。
また、上納金というのは、会費等の名目だけでなく、「義理かけ」による特別徴収金や組員が組織を背景として獲得したカネについても、いわゆる「カスリ」といって、その儲けたカネの何割かを親分に上納しなけねばならない決りとなっています。
こうした上納金の性格について、暴力団社会では、「組織によって庇護してやることの見返りである」とか、「代紋の使用を認めることの対価である」といった認識の下に、月の稼ぎの何割かを持って行かれる苛酷なまでの上納金制度に対して、「遊び人が会費を納めることに不満を持つのはおかしなことだ、納めさせてもらいますと有り難がらなくてはならない」として、厳しく容赦のない対応をしています。
このように、暴力団社会は富も権力もすべて親分に集中する仕組となっており、大きな組織の親分ともなれば、自ら違法なカネ儲けをする必要はなく、組員が苦労して稼いだカネを上納金として収奪し、組織の運営費や活動資金に充てるほか、豪邸を構え、高級外車を乗り回すなど、豪奢な生活を送る資金として恣意的に際限なく使用しているのが実態です。
その一方、組員は、儲けたカネの大半を上納金として組織に持って行かれるため、勢い、上納金や自らの生活資金を捻出するため、覚せい剤や賭博、その他の非合法な資金獲得にも見境なく手を染めてしまうことにもなるわけです。
その上、上納金を何回か滞納することになると、除名その他の恐怖の制裁が待ち受けています。


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