依然として大規模暴力団による寡占化が継続
 暴力団構成員及び準構成員(以下「暴力団構成員等」という。)の数は、平成22年現在78,600人で、前年に比べ2、300人減少し、暴力団対策法施行後最小となりました。
 うち、暴力団構成員の数は36、000人で、前年に比べ2,600人減少し、5年連続で暴力団対策法施行後最小を更新しました。準構成員の数は42,600人で、前年に比べ300人増加しています。
 また、主要3団体(山口組、住吉会及び稲川会)の暴力団構成員等の数は56,600人(全暴力団構成員等の72.0%)で、このうち暴力団構成員の数は27,700人で(全暴力団構成員の76,9%)であり、主要3団体による寡占状態が続いています。
 中でも山口組は、前年に比べ暴力団構成員の数は減少しているものの、全暴力団構成員等の数の44,4%(うち構成員については全暴力団構成員の48,1%)を占めており、依然として一極集中の状態が顕著です。
 島根県下の暴力団の勢力は3団体約160人と言われていますが、そのほとんどが山口組系列に入っているようです。

主要3団体の暴力団構成員等の比較
  22年末の概数 21年末からの増減 全体の構成比




六代目山口組 構成員 17,300 −1,700 44.4%
(構成員48.1%)
準構成員 17,600 200
34,900 −1,500
住吉会 構成員 5,900 −200 16.0%
(構成員16.4%)
準構成員 6,700 0
12,600 −200
稲川会 構成員 4,500 −200 11.6%
(構成員12.5%)
準構成員 4,600 −100
9,100 −300
3団体合計 構成員 27,700 −2,100 72.0%
(構成員76.9%)
準構成員 28,900 −100
56,600 −2,000

 山口組は、組長が収監された17年12月以降、ナンバー2の地位にある若頭を中心に運営がなされている状況にあり、対内的には徹底した統制を敷く一方、対外的には他団体と友誼関係を構築しながら山口組の一極集中を進めて、その勢力を誇示していますが、昨年(平成22年)11月から12月にかけて、若頭及び総本部長が相次いで逮捕されたことから、年末の定例行事の納会の開催も中止したと言われています。
 その反面、納会に代えて定例会を開催し、23年の山口組指針「慶復協心(組長が帰ってくることを喜び、心を合わせて物事をなすことの意)」を発表するなど、組長の出所に目を向けさせ、動揺する組織の沈静を図る動きを見せ、更に1月(平成23年)山口組総本部事務所において、組長の誕生祝いを兼ねた新年会を開催し、いわゆる「親戚団体」である共政会等全国8つの指定暴力団のトップらの参加を得るなど、全国に山口組の勢力を誇示しています。

 近年の暴力団情勢は、山口組の一極集中が顕著であり、警察としては、その弱体化を図ることが喫緊の課題となっていることから、強大化する山口組を事実上支配し、その中枢となっている弘道会及びその傘下組織に対する集中した取り締まりを全国警察一体となって展開し、山口組若頭(弘道会会長)、同組織本部長を始め同組直系組長、弘道会直系組長及び直系組織幹部を多数検挙しています。
 22年中は、山口組直系組長(2次組織の首領)25人(前年比19人増)を検挙しています。
 また、弘道会直系組長(山口組3次組織の首領)11人(同8人増)、弘道会直系組織幹部32人(同18人増)を検挙しています。

 住吉会は、山口組に次ぐ勢力を有し、関東を中心に強固な地盤を持つ団体です。
 また、関東の博徒系暴力団で構成される親睦団体に加入しており、定期的に開催される食事会に参加するなど、関東の他の暴力団とは比較的有効な関係にあります。
 他方、関東進出が進む山口組とは、依然として緊張関係が続いており、今後の動向が注目されています。

 稲川会では、四代目会長が死去したことから、ナンバー2の地位にある理事長が五代目会長に就任しています。五代目会長は、就任に当たり、山口組組長を後見人に据えるなどして、山口組との関係強化を組織の内外に誇示しています。

 中国地方の情勢としては、昨年末、岡山県笠岡市に本拠を置く三代目浅野組組長が死去したため、四代目体制となり、その後見人として山口組若頭、特別推薦人に稲川会会長が就くなど、大組織との関係を一層強めている状況にあります。

 暴力団の情勢については以上のとおりですが、これら勢力に対しては、官民一体となった強力な暴力団排除活動が必要であり、22年中、国土交通省の中央建設業審査会が定める公共工事標準請負契約約款に暴力団排除条項が盛り込まれ、国の機関等に勧告がなされ、更に、全国の自治体で暴力団排除条例の施行が進められており、島根県でも平成23年4月1日から施行することとなっています。
 企業活動からの暴力団排除については、・「関係業界に対する指針の更なる普及啓発」・「暴力団排除意識の高い企業に対する評価方策の検討」・「公共事業等の契約の相手方企業やその下請企業等に対する指針に基づく取組の啓発」・「業種ごとの標準契約約款における暴力団排除条項モデル作成の支援」・「経済団体及び関係業界団体との連携の強化」及び「業の主体からの暴力団等の排除」の取り組みを推進しております。

(1)刑法犯、特別法犯検挙人員の推移 (人)
区分/年次 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
暴力団勢力・暴力団
検挙人員総数
32,511 31,054 30,917 30,824 30,550 29,325 29,626 28,416 27,166 26,061 26,576 25,681
10,584 10,189 9,893 9,907 10,110 9,180 8,725 8,471 7,765 7,195 6,807 6,219
  刑法犯 19,611 19,668 19,650 20,405 20,265 19,472 18,628 18,017 16,621 16,250 16,348 15,786
6,794 6,838 6,709 6,790 7,090 6,461 6,043 5,988 5,367 5,123 4,719 4,238
特別刑法 12,900 11,386 11,267 10,419 10,285 9,847 10,986 10,399 10,545 9,811 10,228 9,895
3,790 3,351 3,184 3,117 3,020 2,719 2,682 2,483 2,398 2,072 2,088 1,981
注:上段は暴力団勢力、下段は内暴力団構成員の各検挙人員を示しています。

(2)主な資金獲得犯罪の検挙人員の推移 (人)
区分/年次 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
暴力団勢力・暴力団
検挙人員総数
32,511 31,054 30,917 30,824 30,550 29,319 29,614 28,416 27,166 26,061 26,576 25,681
10,584 10,189 9,893 9,907 10,110 9,180 8,725 8,471 7,765 7,195 6,807 6,219
  覚せい剤 7,933 7,720 7,298 6,699 6,016 5,408 6,810 6,042 6,318 5,728 6,170 6,278
2,225 2,122 1,949 1,896 1,786 1,514 1,688 1,444 1,403 1,178 1,292 1,313
恐喝 2,889 3,290 3,070 2,954 3,092 2,808 2,619 2,523 2,175 2,014 1,801 1,684
1,367 1,488 1,398 1,325 1,462 1,358 1,232 1,197 1,005 1,005 799 802
賭博 1,575 1,164 1,238 1,374 780 837 845 685 648 642 790 652
188 131 118 117 72 90 97 66 107 107 134 81
ノミ行為等 1,256 736 494 371 240 322 193 161 133 130 181 123
206 143 107 101 65 92 71 41 50 50 52 26
合計 13,653 12,910 12,100 11,398 10,128 9,383 10,467 9,411 9,274 8,514 8,942 8,327
3,986 3,884 3,572 3,439 3,385 3,054 3,088 2,748 2,565 2,340 2,277 2,222
注:上段は暴力団勢力、下段は内暴力団構成員の各検挙人員を示しています。

 22年の暴力団の資金獲得犯罪の検挙状況を見ますと、前年に比べ、脅迫、詐欺、賭博等は減少しているものの、覚せい剤取締法違反と窃盗の増加が目立っています。

(3)暴力団等による銃器発砲事件の発生状況の推移
区分/年次 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
発生回数 133 92 178 112 104 85 51 36 42 32 22 16
対立抗争によるもの 42 16 71 21 32 19 11 0 12 2 1 0
死者 22 17 24 18 5 1 7 2 13 8 6 6
負傷者 20 24 20 20 15 12 6 8 7 5 8 3

 暴力団等によるとみられる銃器発砲事件は16件で、前年に比べ6件減少しています。これらの銃器発砲事件による死者は6人(前年比増減なし)で、負傷者は3人(同5人減)です。
 繁華街や住宅街等市民の身近な場所で銃器使用犯罪が発生しており、暴力団等によるけん銃発砲は依然として社会にとって大きな脅威となっています。

(4)暴力団からのけん銃押収丁数の推移 (丁)
区分/年次 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
押収けん銃総数 580 564 591 321 334 309 243 204 231 166 147 98
真正銃 491 525 563 296 308 276 216 187 223 158 129 96
改造銃 89 39 28 25 26 33 27 17 8 8 18 2

 暴力団構成員等からのけん銃押収量は98丁で、前年に比べ50丁減少しています。
 けん銃等の銃器は、暴力団にとって組織の力を象徴するもっとも強力な武器であることから、依然として大量のけん銃等を組織的に管理した上、自宅や組事務所以外の場所に分散して保管するなど、巧妙に隠匿している実態がうかがえます。
 なお、島根県内の平成22年中の暴力団勢力の検挙人員は19人となっています。

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